南の小言

100年健康を作るPTの日常

介護療法士

一昨日Twitter理学療法士というワードがトレンド入りしました。多くのPTの人たち「ついに理学療法士が日の目を浴びる時代が来たか!」と思ったと思います。実際に喜びを呟く人も多かったです。

 

しかし現実は違いました。

 

日本でPTが増えすぎている事で医療現場に無駄な税金が投下されていると謳う人が多く、今後は不足している介護士の下で介護職をPTが担うという意味で【介護療法士】という造語を広めている人がたくさんいました。

 

PTが急増した20年程前から高齢化が急行している現在にかけて、介護が必要な高齢者の割合は低下しておらず、健康寿命も延びていないということで、PTのリハビリに効果は無いと謳う人がいました。また、寝たきり患者への拘縮予防的なリハビリや老化へのリハビリを保険適用にするのは医療費の無駄という意見を始め、医療費の削減にはPTの削減が必須という意見が多くありました。

 

私としてはその通りと思う点と首を傾げる点がありましたが、事実PTは異常なスピードで増加していますし、今後PTとして生き残る方法を先週のブログで記載したばかりです。法や制度に準じて働いている以上、改変に振り回される未来が目に見えています。

 

PTの今後について色々調べていると、高齢化に伴い益々需要が増していくという意見と医療費削減の為に真っ先に削減されるという二極の意見に分かれています。

 

PTによるリハビリには効果はしっかりありますし、事実私自身たくさんの患者さんの目標をリハビリで叶えています。

ただ、改善の見込みが薄い患者さんや、本人や御家族があまりリハビリを求めていないにも関わらずリハビリを提供している病院はたくさんありますし、傍から見たら医療費の無駄と捉えられてもおかしくない場合も存在します。望まない延命治療問題と近しい部分があります。

あくまでビジネスであり、病院の売上や利益の為に実施せざるを得ないケースも存在します。その財源が税金であることが大きな波紋を呼ぶ訳ですね。

 

今後PTが増加すれば増加するほど、PTとしての価値が無くなり、社会的地位が低下します。

 

その中で、今後は【自費】というものが非常に重要になってきそうです。まだまだエビデンスが少ない予防医学への取り組みや、メディカルジム拡大への取り組みで医療費を削減していく方向にPTとしての知識や技術を活かしていく必要があると思います。

 

ただ、リハビリという存在は人生において最重要となるものでは無い為、どうしても後手に回りがちです。衣食住のどれにも当てはまらないリハビリにお金を投資する人は限られており、保険外となると更に限局されます。いかにしてPTの新たな活躍場を作るかが今後の課題になると思います。

 

私自身、目標は健康寿命の延長と考えていますが、健康寿命が延びるとそれに伴い寿命が延びることとなり結局医療費負担は減少しないのではないかという意見もあり頭を抱えます。

 

今後PTとして20年、30年と働きたい場合、専門性を磨き続けるだけでは行き詰る未来が見えます。

 

医療・福祉・フィットネス分野を中心にあらゆる分野で活躍できる可能性を秘めているPT。出る釘は打たれる世の中ですが、出なきゃ始まりません。

 

上手く経験や知識を活かし、悪評を気にせず活躍のできる分野をどんどん広げていきたいですね。