南の小言

100年健康を作るPTの日常

実力不足

今日は、訪問の仕事の合間に営業回りに行きました。今回の営業はCMさんに向けてではなく、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の施設管理者に向けて行いました。内容は自費リハビリサービスの紹介です。

 

県内でも有数の規模を誇るサービス付き高齢者向け住宅で営業を行った際、対応してくださった施設管理者は60~70歳代程の男性でした。

 

私が一通り説明した後、彼はこう言いました。

「うちの施設の大半は要支援か認定を受けていない人たちです。皆元気なのでそのようなサービスは今もこれからも必要ありません。リハビリを必要としている人はいません。お帰りください。」

 

とバッサリ。怒り口調でかなり高圧的な態度をとられてしまいました。

 

事前に施設内で運動を習慣化する場が無いことや比較的元気な方が入居していることは調べてあった為、予防的な側面に重点を置いていることを伝えると、

 

「元気なので運動は必要ありません。皆自立しています」

 

とこれまたバッサリ。

 

施設管理者のフィルターを超えない限りは入居者にリハビリを届けることが出来ない為、これ以上の営業を断念しました。

 

私は施設を出て駐車場で書き物をしていると、デイケアから帰還した送迎バスが施設に到着。中から続々と入居者が降りてきました。

 

するとあれよあれよ、もれなく全員が足を引きずりながら介助下で歩いているではないか。

 

これを見て入居者皆が元気に自立していると言えるのでしょうか。私からすると全員に積極的なリハビリが必要に感じます。

 

おそらくその施設管理者にとってリハビリは、動けなくなった人に行うものという立ち位置なのでしょう。決してその考え方が悪い訳ではありませんが、私たちが変えていきたい部分です。予防的な部分にリハビリを使うという考え方が世に浸透していない証拠であると痛感しました。

 

もしかするとその施設内にもリハビリを行って欲しいと思っている入居者がいたかもしれません。ただ、施設管理者のフィルターを超えられなかった以上行き届くことはありません。もっと納得のいく説明ができれば…私の実力不足を大きく感じました。

 

環境のせいにしていては一生浸透することはありません。事実、地方でも自費リハビリで規模拡大に成功している企業もありますし、多くの施設と提携してほとんどの入居者に自費リハビリを提供できている企業もあります。

 

この点に関しては、裕福だから、貧乏だからは関係なく、リハビリというものにいかにして価値を感じ取ってもらうかが大切になってきます。

 

今後、ほぼ確実に高齢者の自己負担割も増大していきます。まずは一律3割負担になるでしょう。

 

そうなる前にリハビリの価値を高めなくては、お金がかかるならリハビリはいりませんという方が増加してしまい、健康寿命は短縮すると思います。

 

健康でも自立状態でも運動は必ず必要です。

 

もっと多くの人に運動、リハビリを届ける事。

 

これが私たちに与えられた責務です。