南の小言

100年健康を作るPTの日常

障害のある方との共生

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本日、金沢市が主催する共生社会推進事業者認定研修会に参加させて頂きました。障害を理由とする差別の解消や障害のある人への合理的配慮の提供を趣意とした取り組みです。

 

障害者差別解消法の改正(令和3年6月)により、国の行政機関や地方自治体のみならず民間企業も障害者への合理的配慮が法的義務になりました。改正法は令和6年4月1日から施行されます。

 

合理的配慮とは何か、障害者権利条約第2条から一部抜粋します。

 

「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人種及び基本的自由を享受し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう」

 

要は、障害者を尊重し、事業者の過度な負担にならない程度で障害者を配慮した施策を実施していきましょう、といった感じですかね。

 

法的義務ということで、国や県の相当な思いが感じられます。

 

ただ、この件は非常に難しい問題だと考えています。

 

私たちは障害を持つ方への支援が生業となっている業種であるため、法的義務になっても業務内容に直接的な影響はありません。しかし、障害者と関わることが少ない業種の場合、どこまで合理的配慮となる施策を実施すべきなのか曖昧です。過度の負担という表現も非常に曖昧で、これから定期的な内容の改正が必要な制度となりそうです。

 

会社の中にスロープや点字ブロックを設置することも合理的配慮ですし、飲食店であれば障害者専用の席を設けたり、施設内に障害者用のフロアガイドを設置する等も合理的配慮です。ただ、これらには設置費用がかかります。障害者にも平等な雇用機会を設けることも合理的配慮ですが、企業側としては少なからずリスクが発生します。

 

色々な観点から鑑みると、とにかく障害者が不自由なく暮らせる事だけを考えるだけでは上手くいかないケースが増えそうです。企業によって状況は様々であることから過度な負担としか明記しにくい訳ではありますが、企業側もできるだけ障害者に寄り添った思考で物事を捉えつつも、窮屈にならない程度に留めておく必要がありそうです。そこの線引きは非常に難しいです。

 

私個人としましては、障害者を支援する活動に積極的に参加することで社会問題の解決に貢献すると共に、同じ思考を持つ方達と繋がりを持ち、人格を磨き及び交流の輪の拡大に繋げていきたいと考えています。

 

国全体で障害者をバックアップしていく姿勢を見せています。少しでも障害者に気を配ることが出来る人が増えることを願っています。

 

※私は【障害者】という言葉が差別的な用語に感じる為嫌いなのですが、国が【障害者】と明記している為、こちらでも【障害者】と記しています。