南の小言

100年健康を作るPTの日常

知識

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6月が始まりましたね。昨日も雨、今日も豪雨と石川県は最悪のスタートです…元々雨が非常に多い地域ではありますが、やはり雨の日は気分も下がりブルーな気持ちになります。

 

昨日、私の恩師であり私の訪問看護ステーションの非常勤職員であるPTの方と共にスモールジムのレッスンの見学を行いました。医療現場ではないフィットネスジムでトレーナーはどこまですべきか、どこからを範囲外とすべきかの議論を実施しました。

 

メディカルとフィットネスの隙間を埋めることがスモールジムの一つの目標です。ただ、トレーナーに求められることと医療従事者に求められることは違いますし、メディカルとフィットネスの隙間を埋めたいとはいえ、トレーナーが医療従事者の全領域を網羅する必要もありません。そこで、どこまでトレーナーに医療従事者の知識が必要かを吟味する必要がありました。

 

私たちの中で出た最も必要な知識は【痛みへの知識】【整形外科疾患への知識】でした。

 

日本人の80%は「日本人は痛みを我慢する国民性」と回答しています。また「痛みを我慢することへの弊害」の認知度はわずかに20%

 

つまり、日本人は痛みを我慢しますが、我慢することで様々な二次的な問題が生じることを知りません。

 

二次的な問題により筋がアンバランス状態となり歪みに繋がります。痛みが慢性化すればするほど諸悪の根源が分からなくなり、治療は難渋します。そういった方が増加すると、痛みによる退会率も増加してしまいます。

 

トレーナーは痛みへの知識と整形外科疾患への知識を習得し、適切な運動を提供する必要があります。もちろん医療現場ではない以上徒手的に治療することは難しいので、運動療法という形で修正していく必要があります。

 

痛みや整形外科疾患について大まかな知識を習得しておくと、まだ診断を受けていない会員さんでも症状から疾患の有無を予想することが出来、根拠をもって受診を促すことが出来ます。根拠をもって病院へ送りだした会員さんは例え退会や休会を医者から促された場合でも、必ず帰ってきます。

 

私自身、病院勤務時代に五十肩(肩関節周囲炎)という診断でリハビリ介入を開始した患者さんがいました。主治医は特に問題がないから五十肩と診断を付けたと私に伝えてきましたが、肩の状態から明らかな腱板の損傷がある事を予想し、根拠をもって患者さんに再受診及び検査を促しました。その結果、実際に棘上筋が断裂しており、診断名が変更になりました。事実、医者の言うことは全て正しいとは限らず、間違った診断を付けている事例も少なくありません。(私の勤務していた病院でも度々そのような事例が発生しました)

 

その件を機に患者さんは私を完全に信頼して下さり、逆に主治医の言うことを聞かなくなりました。正しい知識があれば、医者の意見を覆すこともできます。

 

フィットネスジムが医療現場ではない以上、医者>>>トレーナーとなりやすいと思います。ただ、根拠をもって発信することが出来れば、医者と上手く共存していくことが出来ます。

 

根拠をもって発信する為には【痛みへの知識】【整形外科疾患への知識】は外せません。

 

多忙な中でも隙間時間を見つけ、少しずつ知識の習得に勤しむことが自分やジムの価値を高めることに繋がります。