昭和と令和では、食はもちろん生活スタイルも大きく異なります。「和」生活が「洋」生活へと置き換わっている昨今、和式トイレと階段生活が洋式トイレとエレベーター(エスカレーター)生活になりました。現代で和式トイレが用いられてる場所はほぼ無く、小さな公園のトイレや田舎の体育館などで見かける程度です。
和式トイレと洋式トイレの大きな違いは、見て分かる通り使用時の姿勢です。洋式トイレは足腰の負担が軽く、下肢の関節可動域をあまり必要としません。対して和式トイレは、足腰の負担が大きく広い可動域が必要となります。
この点だけで言えば洋式トイレの方が良さそうです。しかし、昔よりも身体の硬い人が増えているという現状の背景にはトイレの洋式化も関与していると言われています。
和式トイレの使用姿勢では股関節屈曲、膝関節屈曲、足関節背屈の角度が重要になります。その姿勢を取るだけでも下肢への相当な負担があります。ただ、下肢への負担は決して悪いことだけではありません。当然過負荷は危険ですが、荷重をかけながら関節を深く動かすという動作は運動不足の人にとっては重要な要素だったりします。特に足関節背屈を強制するという行為は日常生活動作に少なく、それが足首の硬さを生んでいる可能性もあります。踵を付けてしゃがむことが出来ない人が増えているのはそういった理由も考えられます。
ただ、今から和式トイレが増えるとは思えないので、生活の中で足関節背屈を伴う運動を日常生活に取り入れて行かなければなりません。
なんでも楽になれば良い、便利になれば良いという訳では無いことをひしひしと感じます。