このマインドこそ、PTの現状を示している

【PTタックル 〜こんなPTにだれがした〜】
これは先日、リハノメ代表の張本さんが企画運営されたYouTube LIVEの題名です。
理学療法士の国会議員と日本理学療法士協会前会長に5人のガヤ理学療法士が忖度抜きで突き詰めるという討論企画。給料の問題や自費領域の問題などを中心に熱い議論が交わされており、非常に興味深いものになっていました。
この動画は、若い理学療法士であれば間違いなく見るべき動画です。内容については細かくは触れません(あげ出したらキリがないので)是非、アーカイブ動画でご覧になって下さい。
その中でも印象に残った点を一つ紹介します。
「理学療法士協会前会長が【予防】をPT養成校のカリキュラムに組み込むべきだと唱えたところ、医師会が大反対した」
我々は【予防こそ最強の治療】だと思っていますが、国民の予防意識が高まると医者の仕事が減ってしまう訳なので、この事例は、多くの医者が予防の概念の拡大を恐れているということを示しています。当たり前ですが、病院の経営者の多くは医者です。理学療法士は100%医者の立場を越えることができません(医師の指示の元と定められているため)
越えられない壁があり、人件費削減を考えた時、まず初めにセラピストの給料の削減に走ります。全国的に飽和状態であり、安く若い理学療法士を簡単に雇うことができるので当たり前ですね。医師会が時代と逆行した考え方を持っているのですから、理学療法士の給料は上がらなくて当然です。
四国や九州では病院勤務の理学療法士の給料が低すぎるがあまり、訪問看護ステーションなどに理学療法士が集中してしまった結果、病院の理学療法士が足りないという状態に。その結果、敢えて訪問リハビリの指示書を書かない医者も出てきているという話もありました。やりたい放題ですね。
そんな中、少しでも利益を膨らませるために、不正行為が横行してしまっているという現実。サービス残業はもちろん、時間通り(2単位なら40分、3単位なら60分)リハビリをせず、途中で終了させる行為が常習化している病院が多いそうです。以前私がブログに記載したサンウェルズの不正請求問題と同じことをしている訳です。これは、実現不可能なノルマを課している病院側にも責任があると言えます。ただ、そんなことをしたところで理学療法士の給料は上がりません。
参議院議員の小川克己先生は理学療法士の給料問題について厚労省の職員に尋ねた際、こう言われたそうです。
「でも理学療法士は専門3年でしょ?」
これは、「学歴社会の日本では、専門3年で取得できる理学療法士の資格はその給料で妥当だろう」ということを意味しています。誰でも取得できる資格だから、そのくらいの給料で十分だと言いたいのでしょう。
本当に悔しいです。
確かに私自身も学力は高くありませんが、少しでも人の為になりたいという熱い想いとたった3年とはいえ経験したことのない勉強量を熟し、やっとの思いでこの資格を取得しました。
様々な思いを抱きながらも動画の視聴を終え、質問箱やコメント欄、その返答も全て確認しました。すると、そのコメントの中に今の理学療法士のマインド象徴するような内容のものがありました。長文なので要約して記載します。
「保険医療は限界。だから病院で働く人は我慢して低賃金で働け、嫌なら自費にどうぞってことですよね。理学療法士の議員がいるんだからさっさと専門学校潰して理学療法士みんなの給料を上げてほしい。結局お偉いさんが専門学校にいるから潰すことができないだけでしょ。診療報酬に関連もしない認定理学療法士のような無駄をなくして下さい」
病院で働く理学療法士の内、現状に不満を持っている人の大半はこれに近いマインドでしょう。このような他責マインドでは幸せになることはできません。我々としては「病院勤務が嫌なら自費へどうぞ」ではなく「理学療法士は自費領域でも輝ける存在」という考えです。医者が嫌がっている【予防】という分野は、理学療法士の得意分野です。病院(医療保険下、介護保険下)ではその得意分野を活かすことができないため、自費領域で存分に発揮すべきだというポジティブな解釈です。理学療法士の心に引っかかりやすいように敢えてネガティブな書き方をすることはありますが、実際はポジティブ以外の何物でもありません。自費領域にフィールドを拡大させないと勿体無いと思っているくらいです。
ただ、大半の人は「病院がダメだから自費領域しかない」というネガティブなマインドになってしまっている現状。そんなことではなかなか行動できませんよね。
自費領域の最前線でご活躍されている理学療法士×パーソナルトレーナーの須田さんはこう仰っています。
「理学療法士の仕事は減らない。でも、理学療法士としてしか働けない人は厳しくなる」
まさにその通りです。理学療法士の仕事はこの後も絶対に無くなることはありませんし、AIに取られる心配もありません。しかし、低賃金の問題は無くならないでしょう。
Xを見ていると、病院勤務の理学療法士はこの動画に否定的な意見が多く、逆に既に独立している方や病院や大学で一定の権威を持っている方は肯定的な意見が多い印象でした。
受け入れる器の差も明らかですね。
理学療法士として働くことももちろん大切です。しかしそれとは別に、理学療法士の「知識を活かして」活躍するということもまた重要です。
少しまとまりのない文章になってしまいましたが、私の熱い気持ちが少しでも伝わっていれば幸いです。
受ける必要のない医療や介護

SNSを見ていると、こう訴える人をよく見ます。
「介護保険の自己負担割合を一律で3割にすべき」
現在、65歳以上の介護保険の自己負担割合は、所得に応じて1〜3割と定められています。また、医療保険の場合、70〜74歳は2割負担、75歳以上は1割負担と定められています(現役並みの所得がある場合は3割)
度々取り沙汰されている介護費や医療費問題の兼ね合いにより何度も改定されていますが、現状介護保険の2〜3割負担の割合は10%前後しかいないそうです。つまり、ほとんどの高齢者が1割負担で医療や介護サービスを受けることが出来ます。
これは収入の少ない高齢者にとっては良いものだと思いますし、40歳から介護保険料を納めてきた分、歳をとってからその恩恵を受けるということは当然だとも言えます。ただ、このサービスによって国の財源が枯渇しているのもまた事実。高齢者が増えて若者が減っていることも一つの原因ではありますが、所謂【受ける必要のない医療や介護】が横行していることも原因だと考えています。
もはや高齢者コミュニティと化している病院やクリニック。近年は具合が悪くなくても病院に通っている人や、市販で買うよりも処方してもらう方が安く薬が手に入ることから薬目当てで病院を通っている人が散見されます。こんなことでは財源が空っぽになってしまいます。
(もちろん全ての病院が該当する訳ではありません)
近いうちに1割負担を廃止し、高齢者を2割、3割負担に引き上げなければ更に厳しい状況に陥ると思います。また、病院やクリニックが儲かれば儲かるほど、日本の健康寿命は短縮されると思っていますので、無駄な通院や無駄な介護サービスを減らしていかなければなりません。自己負担割合が増加すれば、確実に健康な人が増えます。医療や介護にお金がかかると分かれば、そうならないように予防するのが当たり前ですからね。
そうなると、訪問リハビリの利用を選択する人は減少するかもしれません。1割負担の場合40分600円ほどで受けることができますが、これが3割負担になると1800円。加算などを含めると2000円を超える場合もあります。いくら理学療法士が金額以上の価値を見出そうと努力しても、確実に利用者さんの数は減少します。
ただ、それで良いのかもしれません。病院やクリニック、介護事業が儲かっていないということは、国民が元気になっている証拠かもしれません。
…
一方で、本人や家族としては、大きな病気を予防するためにも頻繁に病院に通いたいという思いもあるかもしれません。運動や健康意識を高めることも予防ですが、病気の早期発見も予防の一つですからね。自己負担割合が増加してしまうと、病院へ行くことを渋り、その結果対応や治療が遅れてしまうかもしれません。
私自身、いきなりの一律3割負担への増加は流石にやりすぎだと思いますが、徐々に引き上げる必要はあると思います。ただ、物事を多角的な視点で捉えることが大切です。
双方(国と国民)のメリットとデメリットを明確化し、多角的且つ長期的な視点で捉えた場合、結果的に双方にメリットのある政策を打っていく必要があります。
病院が本来の機能を果たす為には、国民の理解も必要。
本当に難しい問題です。
思い込み疼痛

皆さんはプラセボ(プラシーボ)効果をご存知ですか?
一般的には期待効果と呼ばれており、プラセボ効果は医学的な呼び方だそうです。
プラセボ効果とは、薬としての効果を持たない偽薬を服用することで症状の改善や副作用などが出現する思い込み症状のことを言います。医者から「この薬は強いのできっと効くでしょう!」と言われると、患者さんはその薬が効いているように感じることがあります。逆に、医者が「この薬は効くか分かりません」と自信無さそうに答えると、実際に効果が薄れてしまことがあります。
神経科学者のカリン・イエンセン氏はこれを「人の感覚を狂わせる不思議なもの」と捉えています。上質なウイスキーが大好きだった彼女の叔父に対して、叔父の家族がイタズラで瓶の中身を安いウイスキーに変えたそうです。しかし、そのウイスキーを叔父は美味い美味いと飲んでいたそうです。「実は叔父はウイスキーの味を分かっていなかったのではないか」と考えることもできますが、「プラセボ効果により美味しく感じたのではないか」と考えることもできます。
ノンアルコールビールをビールと称して飲んでもらった際、飲んだ人が酔っ払い始めたという話は結構有名ですよね。これも完全にプラセボ効果です。
2018年に理研BDRと高橋恭良らが実施した神経性疼痛モデルラットの研究に面白いものがあります。脊髄神経の結紮によって軽い刺激でも疼痛を感じるようになったラットに対して、プラセボ効果を誘発するために結紮後7日目から10日目まで4日間連続で鎮痛薬を投与し条件付けを行い、11日目に鎮痛薬の代わりに生理食塩水を投与したところ、25匹中9匹に有意な鎮痛効果を認めたそうです。もちろん生理食塩水には鎮痛作用はありません。「この薬によって痛みが治る」というモデルラットの期待からプラセボ効果を誘発させた面白い研究だと思います。
私たちに薬の投与はできませんが、この効果を上手く使えば現場でも活かせる気がします。ただ、「病は気からですよ!」「痛みは気持ちからきている部分もありますよ!」なんて利用者さんに言っても、本人にマインドを変えてもらうことはなかなか難しい為、「そんなこと言われても…」と思われることでしょう。活かすには工夫が必要ですね。どうすれば薬のような効果を出すことができるのか、検討が必要です。
と言っても、今回のメインはこのプラセボ効果ではありません。どちらかというと逆。所謂【思い込み疼痛】です。脳が錯覚を起こしやすいことは知っていますよね。先ほどのプラセボ効果もある意味では脳の錯覚です。腰痛や肩痛など身体の痛みを訴える人はたくさんいると思いますが、一部が脳の錯覚からくる思い込み疼痛だったりします。
腰痛持ち11名と腰痛を持たない11名の2グループに分かれて、それぞれ「中腰で荷物を持つ人」の画像を見てもらい、腰痛の出現の有無を調べた研究があります。その結果、腰痛持ちの11名全員が画像を見ただけで腰部に痛みや違和感を覚えたそうです。これが思い込み疼痛です。思い込み疼痛は過去の痛みや苦しみなどのネガティブな経験が生み出す負の先入観です。「身体の調子が悪いのは歳のせい」「昔腰を痛めたから今も後遺症が残って痛い」これらの負の先入観が脳の錯覚を引き起こし、思い込み疼痛を生んでいるのかもしれません。
思い込み疼痛は正の先入観を持つことで改善することが多くあります。ポジティブシンキングは気持ちを前向きにさせるだけでなく、痛みまで緩和させてしまうなんて不思議ですよね。私たちはよく心因性疼痛と呼びますが、疼痛が慢性化している人の大半はこの心因性疼痛も併発していると思います。そうなると、身体の動きを変えるだけでは症状は完治しなくなってしまいます。
理学療法士やトレーナーも、対象者にアプローチを行う際、こういった【心】のサポートも重要になります。
「それは気持ちの問題です!」とよく言う人がいますが、あながち間違っていない場合もありそうですね。なんでも気持ちのせいにする人は発言の信憑性が乏しくなってしまいますが、常に気持ちの問題の存在を考慮する必要はあります。
脳は思っているより単純であり、
脳は思っているより複雑です。
この分野、本当に面白い。
理学療法×ピラティスが増えている理由

(写真は、元同僚である高木トレーナーが運営するACT SPACE金沢)
今日も今日とて理学療法士の話。大前提として、私は病院や施設で勤務している理学療法士を否定している訳ではありません。私が言う病院や施設理学療法士は「辞めたい」「楽しくない」が口癖になっている勉強も何もしない燻っている理学療法士のことを指しています。(結構います)
私の専門学校時代の同級生が先日、大手?ピラティス企業へと転職しました。その企業は急速に店舗拡大しており、昨年私の先輩もその企業の別店舗へと転職しました。ピラティスは本当に流行っていますね。ホームページを覗いてみると、現代の理学療法士の心境に引っ掛かる内容が山ほど記載されていました。具体的に3つほど紹介します。
一つ目は給料面ですね。理学療法士が必ずぶつかるのが給料の問題。この企業の採用情報は、病院勤務では無し得なかった大幅な昇給が見込めることを大々的に掲げています。 「給料月30万以上も可能で加算上限なし」この言葉だけでも心が動く理学療法士は多いはずです。(こちらの額が総支給額なのか手取り額なのかで大きく変わりますが)
一般企業では手取り月30万円は通過点と考えている人が多いと思いますが、理学療法士は手取り月30万円に達することなく終えることも少なくありません。加算上限なく給料upが期待できるのは大きなメリットでしょう。
二つ目は【上位資格取得者は資格給を基本給に上乗せ】という部分です。理学療法士が悩むポイントとして「勉強しても給料に反映されない」という点があります。勉強するだけでは給料が上がらないのはどの業界でも同じことですが、理学療法士は保険下という縛られた環境に置かれているため、他業種以上に給料に反映されにくい現状があります。(凄腕理学療法士でも新米理学療法士でも患者さんから頂く料金は同じであるため)
○○認定理学療法士、〇〇専門理学療法士など上位資格を取得しても、昇給がゼロである病院が大半です。そんな環境で働いていると、いつしか「勉強は自己満」という感情が生まれてきます。そして、必死に自己投資している同僚をみると「無駄な努力」と嘲笑うような邪な捉え方しかできなくなります。地獄の一丁目です。
この企業はその部分を理解しているため、勉強が給料に結びつくという点を強く謳っている訳ですね。
三つ目は【理学療法士と作業療法士しか採用していない】という点です。これも結構大きな点です。私のブログでも時々記載していますが、理学療法士や作業療法士は、自分が国家資格保持者であることを誇りに持っています。ただ、その誇り(プライド)に縛られ、他業種への転職を恐れる傾向にあります。また、トレーナーを見下す傾向にあり、無資格でも出来るトレーナーへの転職を拒む人も多い印象です。
理学療法士と作業療法士しか採用しない理由として、専門的知識に長けている点や会員様からの信頼を得やすい点が大きな理由だとは思いますが、転職を考えている理学療法士と作業療法士の心に刺さりやすいというのも理由の一つではないかと推測します。
病院や施設勤務で燻っている理学療法士や作業療法士が転職したくなるような文言が綴られており、尚且つ流行りのピラティス。急速に事業拡大できている理由が分かります。採用の仕方が上手ですね。
我々にも参考に出来る点があると思います。方向性は違えど、理学療法士や作業療法士を集めているという点は同じ。参考にしながらも、特異性を出していかなければなりません。
徐々に暴かれる医療界隈の闇
最寄りのマクドナルドが閉店することを今日知りました。結構利用していた店舗だったので非常に残念です。天下のマクドナルドでも潰れるんですね。経営って難しい。
「身体に悪い物を食べるな」という神からのお達しですかね。
…
と、思いきや調べてみると建て直しのための一時閉店だそうです。だとしたら、この看板の書き方は紛らわしくないですか⁉︎

ということで今回は医療界隈の闇について。

あまり名前を出すのも良くないかもしれませんが、当事者が認めているということで。
パーキンソン病専門施設であるPDハウスで有名なサンウェルズの不正請求問題が明るみに出ましたね。実は、サンウェルズは金沢に本社がある企業です。
この仕事をしていると、サンウェルズは給料が高いのに職員や利用者からの評判が悪いという噂をよく聞きますが、こういった悪事を上層部が実施していたことが背景にあるのかもしれませんね。サンウェルズで勤務している看護師や介護士に知り合いが数人いるのでなんとなくは聞いてはいましたが、想像以上におおごとになっています。ほぼ全施設で不正があったとのことなので、組織的なものだったことは明白です。ホームページを見ると、給料の高さや健康経営に力を入れていることを売りにしていることが分かりますが、一度不正が暴かれると全てに不信感が過りますよね。
それにしても不正請求総額28億円は凄い。2.3分の訪問を30分で記録を飛ばしていたみたいですね。パーキンソン病は進行すると意思表示が難しくなってしまったり寝たきりになってしまう可能性が高くなってしまったりするので、その性質を利用した悪質性の高い不正です。近年増加しているパーキンソン病は、治療方法が難しく、患者さんはもちろんご家族もどうすれば良いか分からない状態が続いてしまいます。そんな中、その難病を専門とした施設が登場。藁をも縋る思いで入居を決めた患者さんやご家族が不憫で仕方がありません。
ただ、こういった不正行為はこの企業に限った話ではない可能性が高いです。他の施設も不正しているという話もよく聞きます。今回の件を機に、心を改める企業も多いとは思いますが、バレないように不正を続ける企業もあるでしょう。医療費に使われているのは我々の税金です。所謂「公金チューチュー行為」は世間からも厳しい目で見られて当然です。我々はそのことも理解して訪問リハビリを実施している訳ですが、こういった問題が表に出てば出るほど、我々のようなまともな企業も肩身が狭くなり、働きにくくなります。今後は、業界全体での監視体制の強化と倫理意識の向上が重要です。今回は恐らく内部告発により表に出た情報だと思いますが、大半の従業員は不正から目を背けながら働いていたはずです。これは犯罪幇助同然ですね。犯罪と分かっているにも関わらず不正に加担する。もはや闇バイトみたいなものです。ただ、簡単には退職できませんよね…
信頼を勝ち取ることは難しいですが、失うのは一瞬。
反面教師として気をつけていきます。
ほんわかした日
日本の治安の良さを感じ日。
今日はちょっと笑顔になれる話。(私が)

先々週の火曜日にお気に入りのApple Watchを無くしてしまった私。普段から仕事中はApple Watchを腕につけていますが、最近は皮膚の状態が悪いことから移動中は外していました。そんなある日、利用者さんが住んでいる市営住宅の駐車場にて時計が無いことが判明。本来であれば地面に落とした時に音で気がつくと思いますが、この日は大雪の影響で落下音も無く、周囲を探しても見つかりませんでした。Apple Watchには「探す」機能が付いていますが、なぜか反応もせず。
1週間経っても見つからなかったので諦めていました。
そんな中、利用者さんから「別の部屋の入居者さんが拾ってくれて、預かっているらしいよ」と電話がありました。急いで預かってくれている人の部屋に向かいました。
インターホンを押すとご高齢の女性が出てきました。
「先日時計を落としたものです」と答えると、「お名前は何ですか?」と聞かれました。私が名前を答えると、彼女は頷いて時計を持ってきてくれました。
何でも、彼女の娘さんが私のApple Watchの設定欄から、登録されている私の名前を確認し、他の人に渡してしまわないように注意してくれていたそう。この市営住宅は金沢市でも一二を争うほどの大規模団地(金沢市の約40%)であり、何千人もの人が住んでいます。そんな中で、間違った人に渡してしまわないように名前の確認をしていたようです。しかも、外で落としてしまったとは思えないほど綺麗な状態で保管されており、一切の故障もありませんでした。
なんていい人なんだ…
Apple Watchは非常に便利なものなので、盗まれてもおかしくありません。また、各エレベーターに張り紙を貼ってくれていたみたいなので、変な人がその時計を取りにくる可能性もあります。しかし、無事に私の元に時計が帰ってきました。
感謝しかありません。
私は、5、6年ほど前に、体育館でG-SHOCKの時計を盗まれたことがあります。その時計は父親から貰った大切な時計だったので本当に落ち込みました。その時の感覚が頭に過ぎったのでとても悲しい気持ちになりましたが、今回はハッピーエンドでした。
その話を他の利用者さんに話すと、全員が「南さんの日頃の行いが良いからですね」と言ってくれました。
終わり良ければ全て良し。
心がほんわかした日でした。
祝!当選!結局は【予防】!!

私の病院勤務時代の師匠である「有川康二郎」さんが、白山市議会議員選挙に当選しました。本当におめでとうございます。
白山市は石川県で最も大きな市町村であり、全体の18%を占めています。また、人口は金沢市に次いで第2位。以前私が勤めていた病院も白山市にあります。
私が理学療法士として一番初めに配属された部署は訪問リハビリの部署でした。1年目の理学療法士が訪問リハビリ担当になるのは異例だったようです。私が勤めていた病院は急性期病棟、回復期病棟、療養病棟、その他(訪問リハビリやデイケア)の4つの部署に分かれています。入社時に希望を提出することが出来るため、私は急性期病棟と回復期病棟を希望しました。その結果、同期で私だけ希望が通りませんでした(笑)
これが私への期待だったのか、またはその逆だったのか、真相はいまだに謎です。
大半の理学療法士は、最初に病棟で勤務し、多くの患者さんのリハビリを実施することで経験値を積んでいきますが、私はまさかの訪問リハビリ。しかも1日1、2件しかリハビリが無く、同期がどんどん技術や知識を身につけていく姿を横目に、暇な時間は参考書を読む日々…
そんな中、暇そうな私を見兼ねた部長から、空き時間はデイケアで勤務して欲しいと話がありました。その時のデイケアの管理者が有川先生でした。彼は、私の悩みを聞いてくれると同時に、理学療法士のイロハを教えてくれました。そこから見る見るうちに彼の素晴らしさに惹き込まれていきました。リハビリはもちろん、100人以上のデイケア利用者のデータを1人で管理し、データを元に研究まで始めてしまう、その膨大な仕事量を熟す彼に脱帽でした。
当時、彼は役職を持っていた訳ではありませんでしたが、部長や副技師長、主任たちが最終確認で必ず彼に相談するほど、上司や部下問わず大きな信頼を得ていました。
普段から「給料の大半が勉強会の参加費用で消えちゃうんだよね〜」と笑いながら話していた彼。一度誘われた勉強会の参加費用は2日でなんと5万円。私は流石に断りましたが、彼はそんな高額勉強会にも迷わず参加します。しかし、彼から給料面の不満を聞いたことがありません。「全ては自分の将来のための自己投資」といったマインドを持っていた彼は、常に生き生きとしていました。
たった3年ほどの関わりしかありませんでしたが、明らかに他の理学療法士とは違い、異彩を放っていました。とにかく仕事と勉強に全力を注ぐ方でしたが、多角的な視点で物事を見ることができ、理学療法士によくある一つの手技に縛られるようなことは全くありませんでした。
「病院の一職員として留まるのは勿体無い存在」
常にそう思っていましたが、やはり只者ではありませんでした。まさか市議会議員になってしまうとは。更に雲の上の存在になりました。

ただ、そんな彼が現在掲げている指針はスモールジムと非常に近いものです。
【予防に勝る治療なし】【健康増進・疾病や介護予防を推進】
20年理学療法士として働いてきて気付いたのは【予防の重要性】だと語る彼。この意見には大賛成です。立場は違えど、同じ志を持っていることが分かりました。結局は予防なんですよね。膨大な知識やあらゆる手技を駆使してきた治療のスペシャリストである彼が【予防に勝る治療なし】という訳ですから、これは間違いありません。
努力の結晶であるゴットハンドを持っている彼であれば、治療院を開設しても成功していたでしょう。ただ彼は、治療で治すことよりも予防を拡大させることを選択しました。それは、身体に生じる諸悪の根源は、予防意識を高めることで撲滅させることが出来ると考えたからでしょう。「症状が現れてたから対処する」という日本人の一般論を覆すことが今後の日本に必要な要素です。
彼の今後の活動は、そういったマインドの波及を加速させるでしょう。
同じ志を持ったものとして、全力で応援していきます。