南の小言

100年健康を作るPTの日常

PTらしい見解

昨日は久々の雨に加え気温も低く、病み上がりの私には厳しい環境でしたが、今日は快晴。20℃まで気温も上がり清々しい仕事日和でした。

 

今日からまた新たな利用者のリハビリが開始されました。アパート2階に一人で暮らしており、機能維持目的での介入。最初に下肢のMMTとROMを評価しましたが、著名な問題点は認めず、年相応かそれ以上な感じがしました。この方の問題点はなんだろう?と思いましたが、立位で足踏みをして貰ったところ問題点がくっきりと浮かび上がりました。足踏みの為に片脚の離地を試みた瞬間後方や側方へ大きくふらつき、介助なしでは転倒する勢いでした。何度試みても一度も足踏みができません。

 

下肢の主要な筋の力は確保できているにも関わらず、一度の足踏みもできません。

PT一年目の私であれば、バランス力が低下しているかな程度の浅い考えで治療を進めていたかもしれません。

 

他の筋や関節を評価したところ、足底感覚には問題は無いが、足趾屈筋群に著名な筋力低下を認めました。足趾屈筋群の機能不全により、足関節戦略が上手く機能しておらず、それに加え体幹筋の弱化も認めたため、双方が理由で重心制御が出来ていないと仮説を立て、まずは足趾屈筋群にアプローチを開始。

 

本日は足趾屈筋群にしかアプローチを行っていないが、それでもリハビリ後には足踏みが介助なしで可能となりました。体幹の動揺はまだ強いため、これからアプローチしていく必要がありますが、今後ターゲットを絞った介入ができそうです。

 

少しPTらしい見解ができた症例だったのではないかと考えています。

 

臨床経験上、〇〇ができない=〇〇筋の筋力低下、○○が痛い=〇〇の可動域制限のような単純な問題だったことはありません。色々な筋や組織が複雑に絡み合って問題が生じているケースが大半。

 

まずは評価がとにかく大切だと思います。