南の小言

100年健康を作るPTの日常

悩む角度の違う訪問リハビリ

今日は訪問リハビリの話。

 

訪問リハビリははっきり言って非常に難しいです。目標は利用者様によってそれぞれであり、機能改善を目標とされている方もいれば機能維持目的、拘縮予防目的まで幅広く、必ずしも短期的に結果を求められるわけではありません。長い目でみて寄り添っていくことに意味があります。

 

しかし、機能改善を目標とされている方には、週に1、2回の限られたリハビリ時間の中でしっかりと結果を出し、リハビリの重要性を理解して頂く必要があります。それはなぜか、一番の大きな理由は、週に1、2回のリハビリだけでは限界があるからです。

 

リハビリ時間は大体40分であり、週に2回の場合一週間に80分ということになります。一週間は168時間あり分換算すると10080分、その中の80分というのは極々僅かです。つまり、残り10000分の運動習慣が無いと機能改善は難しくなります。

 

訪問リハビリで機能改善を図る上で大切なのは自主的な運動時間を増やすことです。

自主的な運動時間を増やしていくなかで、リハビリの時間に徒手的なアプローチや運動フォームの修正を行う。この流れを作ることが機能改善の最短距離だと思います。

 

私が担当している利用者様に2月後半から週に1回での訪問リハビリを開始された方がいます。主訴は堂々と歩けるようになりたい、ということで開始しましたが、初回はあまり意欲的ではありませんでした。週に1回か2回のどちらが良いですかという問いに対し、「1回で!」と即答。あまりリハビリには期待をしていない様子でした。積極的になってもらうにはどうしようかと悩み、動画と歩行所要時間をリハビリ前後で記録し、本人にフィードバックしてもらうことで重要性を理解してもらおうと考えた。これが私の予想以上に本人に響き、ご家族様も大変満足されている様子でした。それ以降はリハビリ時はもちろん自主運動も積極的に行って貰えるようになりました。そして先日、週に2回に増やしたいと本人からお願いされました。本人の性格に合わせた方法を上手く選択し展開することができたことがこの結果に繋がったと考えています。

 

訪問リハビリは要支援、要介護認定を受けた方が大半である為、運動を習慣化させることは非常に難しいことです。そんな中でも、しっかりと信頼を獲得し、必要な行動を起こしてもらう。これが機能改善を図るうえでの理学療法士の腕の見せ所だと思いました。

 

こういったケースを増やしていきたいものです。