南の小言

100年健康を作るPTの日常

成果が周りを動かした

6/6の記事にて施設の現状とジレンマについて私なりの見解を述べさせていただきました。入居者さんの施設内での運動機会を獲得するには、介護士さんの負担増大が必ず伴ってしまうというジレンマです。とっておきの解決策は全く見つかっていませんでしたが、本日起きた成功事例を紹介します。

 

週3回(月・水・金)の訪問リハビリを実施している施設入居者さん。2日ぶりに入居者さんのリハビリに行くと普段より歩きぶりが良く、特に機能低下を起こしていませんでした。今までであれば、2日空くだけでも機能低下を起こしていたので不思議に思い本人に聞いてみると「二日間従業員さんが何回も歩くのに付き添ってくれたんや」と。

 

リハビリ後、従業員さんにその旨の確認をしにいくと「だいぶ動けるようになったのに、ここでこちらが歩く機会を奪うと歩けなくなると思いまして」と話されました。

 

数日前とは逆の意見になっていました。6/6時点では本人の意思よりも業務効率化を優先していた方々が、本人の身体や意思を優先してくれるようになりました。

 

これは【成果が周りを動かした】事例だと考えています。本人が前向きにリハビリに取り組んできたことで、怪我前に近い形で歩行ができるようになりました。日を追うごとに状態が良くなるそんな入居者さんを見て「私たちもできることをやらなくてはいけない」という責任感が芽生えたのではないかと思います。

 

例えば、本人にやる気がなくリハビリ的にも第三者から見て良くなっていない入居者さんがいたとして、そんな状況で療法士からもっと運動機会を作って欲しいとお願いされても、積極的に動く介護士さんはなかなかいないでしょう。目に見えた効果成果が出ないと人はなかなか動きません。

 

ダイエットも筋トレも一緒ですね。すぐに痩せませんしすぐに筋肉は付きません。しかし、一度効果成果が出ると楽しくなり継続できるようになります。

 

しっかりと効果成果を出すことが、本人はもちろん周りの心を動かすことに繋がることを今回の事例で再認識することができました。

 

介護士さんがお手伝いして下されば、施設入居者でも先は明るくなります。

本人と介護士さん、そして私というチームで本人の目標を叶えていきたいと思います。