南の小言

100年健康を作るPTの日常

ここまで良くなると思っていませんでした。

しっかり妻もコロナに感染しました(笑)

予想通りの流れです。昨年感染した時は、妻は比較的軽症でしたが、今年は2人ともしっかり症状が出現しました。次は私が看病する番です。

 

 

「ここまで良くなると思っていませんでした」

 

 

これは、先日私が利用者さんが入居されている施設の従業員に言われた言葉です。

 

施設内で転倒し大腿骨頸部骨折。高齢者によくあるケースです。5月から訪問リハビリの介入が始まり、現在は骨折前よりも良い状態だとお褒めの言葉を頂きました。

 

80歳代後半で怪我をしても、リハビリ次第で元の状態よりも良くなる事ができるという事を証明できました。

 

多くの高齢者が「もう歳だから」と弱音を吐いてしまう中、この方は一度も弱音は吐きませんでした。

 

「早くマーケットに歩いていきたいんや」

 

これが口癖で、いつもこちらの要求水準を超えてリハビリに励んでくれました。

 

理学療法士と利用者さんの両方が前向きな目標に向かって励む事ができれば、加齢という障壁を越える事ができます。

 

高齢者の大半は「歳だから筋肉は付かない」と言いますが、歳をとってもトレーニングによって筋肉が付くことは科学的に証明されてきます。ただ、若者とは違い【加齢】という強力な阻害因子がある為、筋肉が付いていないように感じるのです。その為、利用者さんのモチベーションを高め、トレーニングを継続してもらう事が重要です。

 

高齢の利用者さんのモチベーションを高めるには治療技術とコミュニケーション能力、利他心の全てが必要です。

 

特に利他心。こちらが「必ず良くしてあげたい」と思わなければ良くなりません。高齢者は長い人生の中で数えきれないほどの人間を見てきていますし、こちらにやる気がなければすぐにバレます。当然そんな人に信頼してくれるわけがありません。

 

高齢者に限った話ではありませんが、一人一人に誠心誠意を持って接する事ができればどんな状態の方でも改善が見込めます。

 

利用者さんの心を動かす為に、まずこちらが先導していかなくてはいけません。

 

実際にリハビリ、トレーニングを行うのは本人ですが、常に二人三脚だという事を忘れないよう心掛かる必要があります。