南の小言

100年健康を作るPTの日常

ピグマリオンとゴーレム

教育現場でよく用いられる【ピグマリオン効果】と【ゴーレム効果】をご存知ですか?

 

ピグマリオン効果】とは、他者から期待を受けることでその期待に沿った成果をあげることができるという心理効果のことです。

 

【ゴーレム効果】とは、その逆で周囲の期待度が低い時にそれに比例してその人のパフォーマンスも低下してしまう心理効果のことです。期待されない(愛されない)幼少期を過ごした子供が、大人になって非行に走ってしまうケースはこの効果が要因だと言われています。罪を犯してしまった人の経歴を辿ると、幼少期に家庭内や学校で心理的な問題が生じ、ゴーレム効果に陥ってしまっている割合が高いです。こうなると全ての事柄がマイナスに進行してしまいます。

 

時には叱咤激励も大切ですが、ネガティブな批判を避け、自己肯定感を高める機会を増加させる必要があります。教育現場や上司と部下の関係はもちろんフィットネスジムでのトレーナーと会員さんの関係でも、ピグマリオン効果を発動させ、ゴーレム効果を抑制することが重要になってきます。

 

もう一つトレーナーが気を付けなくてはいけないことは【ハロー効果】の存在です。【ハロー効果】とは、物や人を評価する時に、ある特徴的な一面に影響され、その他の側面も同じように評価してしまう心理効果です。人材採用時によく用いられるこの効果は、ポジティブハローとネガティブハローに分けられます。

 

「高学歴だから真面目で仕事ができるだろう」「この製品はCMで有名女優を広告塔に起用しているから信頼できるだろう」といったように一つの特徴から全てがプラスに評価されることがポジティブハローです。

 

それとは逆に、「太っているから自己管理が杜撰なんだろう」「この製品はCMで元犯罪者を起用しているから信頼できない」といったように一つの特徴から全てがマイナスに評価されてしまうことがネガティブハローです。

 

対象者が目指すべきは当然ポジティブハローな訳ですが、評価側が考えなくてはいけないことは、あくまでどちらも偏見であり先入観であるということ。

 

人材採用時は、少ない時間で評価及び他の受験者との比較を行う必要がある為、致し方ない部分が

ありますが、上司と部下の関係やトレーナーと会員さんの関係では、じっくりと対象者と関わって行くことが可能である事から、この【ハロー効果】に囚われないようにする必要があると思っています。

 

【ハロー効果】の存在が【ピグマリオン効果】を産む場合もありますが、【ゴーレム効果】を産む場合もあります。

 

認知バイアスに左右されず、本人と真摯に向き合っていきましょう。