南の小言

100年健康を作るPTの日常

認知症をどうやって止めるか

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この仕事をしていると様々な身体の問題に携わることが出来ますが、その中でも最も私自身が仕事の中で辛くなることは【利用者さんの認知症の進行】です。

 

病院とは違い年単位で関わることが出来る訪問リハビリですが、見られる変化はなにも良い変化ばかりではありません。運動が認知症予防に効果があることは間違いありませんが、万人に効果がある訳ではなく進行してしまうケースも多々あります。

 

私が昨年の2月から週3回訪問リハビリを実施している利用者さん。誰にでも優しく笑顔が素敵な方ですが、この一年弱で認知症の進行が目に見えて分かります。出会った頃は少し物忘れがあるくらいに留まっており、特段不自由なく生活を送っていました。しかし現在はトイレの仕方や自分の部屋の位置が分からなくなったり、奥様が誰か分からなくなったりします。運動機能に大きな低下を認めている訳ではありませんが、認知症の進行による介護負担が激増している状況です。

 

せいぜい数ヶ月が限度となる病院では認知症の進行を露骨に感じるケースはほぼありませんでしたが、年単位のお付き合いとなると病態悪化や認知症の進行を感じることも少なくありません。

 

本人や御家族の気持ちを考えると本当に辛くなります。自分のパートナーが目に見えて衰えていく恐怖心や不安感が私の感じている以上のものであることは間違いありません。

 

病態悪化ならまだしも、認知症の進行を直接感じている御家族の悔しさは計り知れません。

 

訪問リハビリは本人や御家族を支える立場として一翼を担っていますが、認知症を食い止めることは出来ていません。

 

認知症に対して何か出来ることは無いかと考える毎日です。