南の小言

100年健康を作るPTの日常

便利だが怖い時代

以前にも少し触れた話を少し深く掘り下げていきます。

 

ネット社会が当たり前化している現在、必要な情報が一瞬で手に入る時代になりました。専門的な知識ですら参考書を買わなくても検索するだけでたくさん習得することができます。

 

Googleで【腰椎椎間板ヘルニア】と検索すると0.3秒で248万件ヒットしました。末恐ろしいですよね。分からない言葉が出てきたときに数分かけて辞書で調べていたあの頃がばかばかしく感じます。それくらい便利な世の中になりました。

 

私も参考書で正確な情報を得るようにはしていますが、やはり便利なネット情報も活用しています。

 

そんな中、間違った情報も数多く存在します。いわゆるフェイクニュースに注意というのは、総務省も強く謳っています。

 

メディカル面でも、もちろんフェイクニュースには気を付けて頂きたいところですが、最も気を付けてほしいことは間違った解釈をしないことです。

 

私の病院勤務時代にこんなことがありました。

腰椎椎間板ヘルニアを罹患し外来リハビリを実施している方。定期的に通って頂きある程度症状も落ち着いてきました。しかし、幾らか経過して症状が急に悪化。話を聞くと、SNSでヘルニアに効くと謳われていた自主体操を積極的に実施したと。目の前で実施して頂くと、腰椎への負担がとにかく強く、代償で固められた姿勢で行っていました。行っている体操自体は悪いものでは無く、フェイクニュースではありませんでしたが、あまりにも自己流になっており、かえって症状悪化を助長させてしまうものになっていました。フォーム修正を行い、正しい動作を処方することで症状は寛解しましたが、こういったケースは珍しくありません。

 

数ある情報の中に、正しい情報もたくさん存在すると思いますが、あくまで受け取り手は素人であり、適切な情報として処理できているとは限りません。

見様見真似で実施すると問題が悪化する場合もある事を知る必要があります。

 

フィットネスジムや病院でも、自分のレッスンや治療時間以外にどんな運動をしているか、どんな姿勢で何をしているかも必ず情報として集め、マイナス要素を取り除く必要があります。

 

もっと日常生活での在り方に目を向けていくと自分の価値も高められそうですね。