南の小言

100年健康を作るPTの日常

寄り添うことが大きな価値を作る

営業先での出来事。

 

自社の施設に訪問マッサージを積極的に取り入れているCMの方とお話しさせていただきました。

 

私「なぜ訪問マッサージを積極的に取り入れているのですか?」

 

CM「もちろん揉んでもらえることで気持ちが良いという利用者の意見もありますが、ゆっくりと人と会話することが出来ることに対しての満足度が最も高いです。入居者は施設にいると、人と会話する機会が極端に減少し、生活に楽しさを見出せなくなります。そこで訪問マッサージが来てくれることで話し相手にもなってくれるので、入居者が精神的にも元気になります。なので積極的に訪問マッサージを取り入れています」

 

以前にも綴りましたが、様々な業界があるなかで私たちは特に人と人とが関わる業界です。対象者の身体機能を高める事が出来ても、精神的な面をサポートできない医療人は一流とは呼べません。特にPTは身体機能を高めつつ、精神面にも尽力することが必須です。

 

そのCMの方の話に私は大きく頷きました。

 

 

私の病院時代、患者様と良好な関係を築くことが苦手な同期PTがいました。一年の中で何度も患者様自身から担当者交代の希望があり、その都度同期PTは悩んでいました。

 

ある日、その同期PTから私のリハビリの何がいけないのかを考えて欲しいと言われ、リハビリ見学を実施しました。そこで私は大きな問題点に気付きました。全てその同期PTのペースでリハビリを行っており、患者様の表情や言葉には一切目を向けていませんでした。リハビリ間のインターバルも教科書通りの内容、プログラムに関しても、立案した分は何があっても全て実施するといった感じで、完全に自分本位のリハビリになっていました。

 

確かにその方にはそのインターバル、その内容のリハビリが正解だったかもしれません。ただそれはあくまで身体機能面のみの話。そこには個性という千差万別のものが付随してきます。つまり、内容は同じでも進め方は全員違います。

 

患者様との信頼関係を築くには、患者様に寄り添い、状態や個性に応じた対応をしていく必要があります。

 

そのことを同期PTに伝えてからは、担当変更を希望されたという話は聞いていません。

 

 

 

私たちが行っていることは人間にしかできないこと。

 

身体と精神を動かすことができるのは人間だけ。

 

ただ、人間の中でも全員が出来る事ではない。

 

医療従事者であってもできる人できない人がいる。

 

自分自身が一流になれるように、まずは努めていかなくてはいけません。