南の小言

100年健康を作るPTの日常

足って大事

足関節は唯一地面との接触のある関節です。身体で最も重要といっても過言ではないほど多くの役割を持ち、足関節の機能が破綻すると身体の全てが崩れていきます。

 

PTやトレーナーは足関節の重要性を理解していると思いますが、一般の方で足関節を重要視している人はほぼいません。「上手く歩けるようになりたい」と考えた時、多くの人は「足の筋肉を付けよう」という発想になります。間違いではありませんが、筋肉が付いたからといって歩行レベルが上がる訳ではありません。それは潜在的な筋肉が使われていない人がいくら筋トレをしても必要な筋肉は眠ったままだからです。筋トレに加えて、その筋肉を歩行時にも賦活させるための部分的トレーニングも必要です。

 

ただ、足関節の機能回復は即歩行に影響することが多い印象です。私が週1回の訪問リハビリを実施している利用者さんで、足関節の機能(特に足趾)が完全に破綻してしまっていた方がいます。起座や歩行の際は常に足趾が浮いた状態であり超後方重心。転倒を繰り返していました。そんな彼に私は毎回40分間みっちり足趾へのアプローチを実施しました。その結果、繰り返していた転倒が全く無くなり、歩幅が格段と大きくなりました。

 

彼に下肢の筋トレを促したことはほぼありません。(CKCexの中で若干増強した可能性はありますが…)失っていた足趾の機能を賦活させただけです。それだけでも十分歩行レベルを向上させることができます。

 

もちろん下肢の筋トレが必要な場合も多くありますし、適切な評価が必須です。ただ、足趾が正常に機能している人はほぼいないと思います。

 

会員さんや利用者さんには、レッスン中やリハビリ中以外でも足趾を意識した生活を送ってもらうことが重要です。

 

スモールジムのトレーナーには人間の身体を因数分解して診る能力が必要ですが、一般の方はあくまで上半身と下半身の2つです。一つ一つの関節や筋肉を評価する目を養い、その中でも足関節を重点的に診ていきましょう。