人生において【達成感】の存在は非常に大きく、目標に向かって突き進むうえでの原動力となります。
営業マンであれば、自分が営業した商品が売れたり功績を上司に褒められたりすることで達成感を味わうことが出来ます。マラソンランナーであれば、目標タイムを達成したり近づいたりすることで達成感を味わうことが出来ます。ただ、リハビリや筋トレはなかなか数字としての経過を追いにくい部分があり、過程での達成感を味わうことが比較的難しい類に入ります。
高重量を上げることを目標としている人であれば重量が上がることで達成感を味わうことが出来ますが、そうでない人は「そういえば筋肉ついてきたかも」この程度の感覚に留まってしまいます。
多くの人は定期的な達成感が無いとモチベーションを維持することができません。
数字上で達成感を与えることが難しい場合は他の手立てを考える必要があります。
私の利用者さんでTHAを施行された方がいます。筋力は向上、歩容も安定しており周りの人からは「歩きが良くなったね」と良く褒められるそうですが、本人としては実感が全くなくモチベーションは低下していました。そこで私はADLに着目し、まだ実施できない動作を出来るようにすることで達成感を味わってもらおうと企てました。
その結果、足を組んで靴下を履く動作と階段昇降動作が実施できるようになった時、「初めて私は良くなったと感じました」と達成感に満ち溢れた声を頂きました。そこからのモチベーションはうなぎ上りです。身体機能改善スピードが格段と上昇しました。
フィットネスジムに入会される方は、長期的な目標をもって入会される方が多いと思います。その目標が具体的な人は比較的継続可能ですが、【運動不足解消】【筋肉を付けたい】といった抽象的な目標を持った方はモチベーションが低下しやすい傾向にあります。
そこでトレーナー側がいかに本人のモチベーションを高めるための短期目標を設定するかが重要になってきます。具体的かつ本人の長期目標の道中にあるもの。本人の性格や特異性を汲み取ったものを設定する必要があります。
【痛みで退会】と【モチベーションが低下して退会】
この2つは真っ先に無くしていきたいですね。モチベーションの低下は、明確な目標と予想できる道なりの提示、トレーナーへの厚い信頼によって防ぐことができます。
モチベーションが安定しない人には具体的な短期目標を設定していきましょう。