南の小言

100年健康を作るPTの日常

後悔の念

私が訪問リハビリを担当していた利用者さんが昨日ご逝去されました。

 

元々ターミナルケアで看護師が介入していましたが、車椅子に乗ってリビングでテレビを一緒に観ることができるようになりたいという本人とご家族の願いからリハビリの介入が開始されました。

 

結局ベッド端坐位までしかとることが出来ず、願いを叶えてあげることができませんでした。確かに状態は良くありませんでしたが、私にもう少し技術があれば、私の手際がもう少し良ければ願いを叶えることができたかもしれないと考えると、後悔の念に苛まれます。

 

居宅介護サービスは、利用者さんから変更依頼や終了依頼が無ければ基本的には半永久的に続きます。リハビリの場合は目標達成に伴い終了することもありますが、余生を最後までサポートしていくことが多いです。

 

ただ、こういったケースがあると一回一回をもっと大切に実施しなくてはいけないと改めて考えさせられます。必ず次があるとは限りません。無駄な介入なんてことは当然あってはならず、もっと真剣に取り組む必要があることを痛感しました。

 

私はこの利用者さんがベッド端坐位を実施することができた時のご家族さんの嬉しそうな顔が忘れられません。「次は車椅子に乗れそうですね」という言葉を残しリハビリを終了しましたが、次はありませんでした。

 

目標を達成するには段階を踏まなくてはいけませんし、最大限のリスク管理を実施しなくてはいけない為そもそも簡単な事ではないことは分かっています。

 

ただ、もっとこうすれば良かったといった後悔の念を限りなくゼロにする努力はしなくてはいけないと思いました。

 

最期まで携わらせて頂いたことに感謝し、私も精進して参ります。