南の小言

100年健康を作るPTの日常

CMでも考え方はそれぞれ

訪問リハビリを実施する為、利用者さんの家に行くと先客が二名おられました。

 

一人は担当のCMさん、もう一人は新聞記者でした。CMとしての考え方等を取材していた様子であり、CMさんが話すことを記者は淡々とタイピングしていました。

 

そのCMさんは私もお世話になっている方で、気が付くと私も会話に参加していました。

 

取材の中でCMさんはこう話していました。

 

CM「私はすぐに施設へ入所させようとする考え方が嫌いです。入所してしまうとこれ以上良くなることは無く、後は悪くなるだけです。私は、色々なサービスを利用しながらも極力自宅で過ごすことができるようにしたいと思っています」

 

私自身も今まで数多くのCMさんと話す機会がありましたが、こういった考え方を持っている方は比較的少数派であり、施設を第一に考えるCMさんは少なくありません。

 

 

 

私が前職で訪問リハビリを担当していた頃、リハビリ介入により徐々に身体機能が回復してきた利用者さんがいました。本人も実感しており当初低かったモチベーションが徐々に高まっていました。そんな中担当CMさんは本人の意思を聞かずに急に施設行きを決めました。なぜかを問うと、最初から施設探しを行っていてやっと決まったから、と。

 

こんな経験があります。

 

それは、家族負担の軽減や予後のリスク管理等正当な理由があるなかで生まれた選択肢だと思いますが、経験上ほぼ100%の確率で本人は在宅生活を望んでいます。

 

色々な因子がある為、利用者さんによってもちろん施設の方が良い場合もあります。しかし、第一の選択肢としてまず施設を考えることは、利用者さんの将来の選択肢を消すことになります。

 

本人の意思とご家族の意思に相違がある場合はなかなか皆が納得のいく結論を出すことは難しいですが、まずは本人の意思を尊重していく段取りを組む事が大切だと思います。

 

私たちとしては、在宅サービスの質を高め、少しでも慣れ親しんだ自宅で生活できる人を増やしていく必要があります。

 

個々の質もしっかりと高めて行かなくてはいけませんね。