南の小言

100年健康を作るPTの日常

ハラスメント閾値の低下

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弊社の事務の方が娘さん(小学生)の給食事情について話していました。

 

「今は嫌いな食べ物は最初から食べなくてもいいって先生に言われるらしいです。残しても文句は言われないし、強制的に食べさせられることはないみたいです。」

 

所謂ゆとり世代と呼ばれる私たちでさえも、アレルギー問題以外での食べ残しは許されませんでしたし、完食するまでは休み時間を貰えなかった時もありました。もっと遡れば、引っ叩かれてでも完食を強いられる時代もありましたよね。時代は益々優しい方向に進んでいます。しかしそれは良い面だけではありません。

 

時代が進むにつれ【地雷だらけ】の世の中になっています。行き過ぎた指導は当然良くはありませんが、行き過ぎていなくても問題として取り上げられるケースが非常に増加しています。過保護な制度、過保護な親が子供の成長を妨げ、【我慢の出来ない人間】が続出しています。人生において、我慢や忍耐が出来ない人は活躍できませんし、辛抱強く努力できない人の先に成功はありません。

 

先日取り上げたエイジハラスメント等の様々なハラスメントは是正すべきです。それは百も承知です。しかし、ハラスメントと評価する閾値が年々低下しています。まさに【言いたいことも言えないこんな世の中】となっています。

 

暴力が指導だとは思いません。罵詈雑言を浴びせることが指導だとは思いません。ただ、指導において時には叱ることや注意することは必要です。そんな中、幼少期から間違いを是正される教育を受けてこなかった人が果たして社会に出て適切に問題解決できるのでしょうか。甚だ疑問です。

 

 

先日、こんなニュースがネットに掲載されました。

 

「24歳会社員が些細なミスで課長に【お前】と呼ばれ、そのストレスで精神病となった」

 

確かにいくら上司からとはいえ【お前】と呼ばれたら腹が立ちます。ただ、本人にとっては大きな問題だったと思いますが、これからも同程度のストレスを感じる機会は必ずあります。ストレスの角度は違うとはいえそもそもストレス社会ですから。【お前】と呼ぶ上司は是正すべきですが、本人も精神的に潰れないような忍耐力、辛抱力も多少は必要かと思いました。この方の内情を知っている訳ではありませんので、深くは言及しません。

 

私自身、親のおかげもあり特に大きな苦労もない幼少期を過ごしてきました。壁にぶつかることなく淡々と生きてきた結果、ストレスへの耐性が人より弱いと自負しています。そして焦りやすい性格でもあります。これは元々備わっている性格の影響もありますが、環境によって変化させることができた部分もあると思っています。もっと幼少期やティーンエイジャーの頃から苦労しておくべきだったと後悔している部分もあります。

 

幼少期やティーンエイジャーの頃から社会の厳しさを知るべきとまではいきませんが、社会に不必要なマインドは学ぶべきではないと思っています。

 

どこまでが適切な指導でどこからがハラスメントなのかの明確な基準を設けることは不可能です。感受性は千差万別ですから。ですが、年々低下しているハラスメント閾値を是正しなくては指導者は張り巡らされた地雷に怯えながら指導しなくてはいけません。そういった指導者から受けた指導は教科書の様な型にはまった物でしかなく、社会で大した花は開きません。

 

私は【昭和の頑固親父】のような指導者には反対ですが、指導者にも個性があり、受け取る側にも個性があります。

 

互いの個性を尊重できる世の中が今後必要になってくると思います。現状、指導者側の個性は保たれていません。

 

【言いたいことも言えないこんな世の中】

 

この点は早急に是正すべきでしょう。