南の小言

100年健康を作るPTの日常

後世に勧めたい仕事

今日、妻とこんな会話がありました。

妻「(私)の通っていた専門学校ってどこ?」

私「〇〇って所。どうして?」

妻「職場の先輩の息子が今高校三年生なんだけど、理学療法士になりたいらしくて、進路探し中」

私「理学療法士で安定した人生を送ることは大変だよ」

 

理学療法士に魅力を感じてくれている嬉しさよりも先に、未来を心配する気持ちが出てきてしまった自分に失望しました。

 

理学療法士は世の中の所謂【国民病】に対して大きな役割を担っているにも関わらず肩身の狭い思いをしています。実際、10〜20年程前とは違い昇給の幅が日に日に狭まり続け、単純に病院に勤めているだけでは安定した人生を送ることが出来なくなりました。

 

未来の子供たちに対し「私は理学療法士です」

と誇りを持って伝えることはできますが、「理学療法士を目指しましょう!」とは言い難いのが実際です。

 

この業界をどうにかしていかなくては、数多くの社会問題の解決は成し得ません。

 

将来、自分の子供に勧められるような職種にしたい。その為には現在の理学療法士の在り方、当たり前を変えていかなくてはいけません。

 

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今後の理学療法士についてもう一度考えてみましょう。少子高齢化に伴い医療の需要は増しており病院も施設も増加しています。しかし、このグラフからも分かるようにPTだけは給料水準が低下しています。それはなぜか。答えは簡単です。供給が需要を上回っているからです。

 

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2040年には供給が需要の1.5倍を超えると言われています。PTの昇給は年に3,000円から高くても8,000円程度。地方では数百円のところもあるらしく、伸び代はほぼ皆無です。それでも養成校は年々増加しており、今後理学療法士が益々増加することは確定しているといえます。

 

私は度々出身養成校の教員と話す機会がありますが、理学療法学科の1年生は既に未来に強い不安を抱いているそうです。理学療法士に未来は無いのではないかという質問が数多く寄せられるそうです。

 

入学前は希望に満ちていたと思いますが、たった数ヶ月で絶望に変化しています。

 

確かに医療分野での理学療法士は供給過多状態かもしれませんが、【理学療法士の知識】は世の中にまだまだ足りていません。

 

病院や施設で働き続けることに危機感を感じ、経験や知識を利用して別の仕事を始める理学療法士が増えています。それは【抜け道】なんかではありません。今後の日本の未来の為にも理学療法士は病院や施設以外で働くべきだと考えています。

 

今後、社会保険料、医療負担額は益々増大します。そんな中、保険を介してリハビリを実施している且つ供給過多と思われている理学療法士は真っ先に是正されていきます。

 

この波を食い止めるには理学療法士の新しいプラットフォームを作るしかありません。

 

1番に病院や施設、2番に整体やトレーナーではなく、病院や施設と同程度の価値あるプラットフォームが必要です。

 

後世に勧められる理学療法士の再構築が必要です。