南の小言

100年健康を作るPTの日常

日常が全て

訪問リハビリは法律上多くても40分を週3回。ジムも大体一回1時間を週2〜3回の方が多いです。その中で「訪問リハビリを使っているのに筋肉がつかない」「ジムに通っているのに痩せない」といった声をよく聞きます。そのような方の効果が出ない理由がほぼ100%日常に存在します。

 

いくらジムに通っていても消費カロリーよりも摂取カロリーの方が多ければ痩せませんし、姿勢改善を図るプログラムを実施していても、自宅で不良姿勢生活を送っていては姿勢は改善されません。

 

私の利用者さんで、強度の骨盤後傾位の方がいます。伴って極度の後方重心であり転倒リスクが高い状態です。色々試しましたがなかなか姿勢が改善されないことに疑問を持ち利用者さんに生活様式を尋ねると、朝から晩まで座椅子に座っているとのこと。座位姿勢は当然仙骨座りでした。週に1回40分アプローチを実施したところで残りの時間全て仙骨座り生活をしていては改善される訳がありません。

 

ただ、この方は重度の認知症であり、座椅子を使用しないよう促しても記憶することは困難です。また、重度認知症の方は、住み慣れた環境(今回であれば座椅子のある環境)に変化が起こると徘徊頻度が増加する傾向にあります。その為、座椅子を無くすことはできませんし、骨盤後傾位軽減による後方重心改善という目的から、下肢筋力や体幹部へのアプローチによる転倒リスク軽減目的にシフトしました。

 

ジムに通われる方で重度の認知症の方はあまりいないとは思いますので少し外れた例ではありますが、【目標達成できない理由が日常に存在するが、助言だけでは日常が変わらない】というケースが多くあります。

 

その場合、多方面からフォローしていく必要があります。対象者の日常が変わらないのはなぜか?そもそも理解が足りないのか?外的要因が強いのか?意識がまだ向いていないのか?

 

外的要因が強い人には、その要因を排除していく必要があります。ダイエット目的だとして日常で食事量を減らすことが出来ない。それはなぜなのか?様々な要因を排除しなくては日常は変わりません。

 

ただ単純にすべきことを伝えるよりは、その人に沿った方向からのフォローが大切であり、これが出来なければ目標を達成することができません。

 

【対象者の目標達成には日常の変化が必須】

 

二人三脚で目標を達成させることに重きを置き、日常にまで目を向けていきましょう。