南の小言

100年健康を作るPTの日常

リハビリ中のリスク管理だけでは足りない

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先日入った新規の利用者さん、初回の介入で即時的に歩行速度が約2倍速くなりました。ご家族さんも満足していらっしゃったので、今後が楽しみになりました。しかしそんな矢先、その利用者さんは夜間に転倒し上腕骨を骨折。入院してしまいました。

 

高齢者が自宅で転倒し骨折してしまうことは良くありますが、この方の人生に携わっている以上【仕方がない】で済ませては絶対にいけません。

 

詳しい原因は分かりませんが、歩行レベル向上による活動量増加が転倒に繋がってしまったのではないかと推測しています。元々病識の欠如が見られた方であり、リハビリ後は動きやすさから多動になっていました。そこで夜の転倒リスクに備え助言を行うべきだったかもしれません。

 

リスク管理というものの重要性を再認識しました。リハビリ中のリスク管理は私なりに徹底していましたが、日常に潜むリスクにまで目が向いていませんでした。活動量が上がれば筋肉を使用する頻度が上がる為廃用は防ぐ事ができます。しかし、活動量が上がれば上がるほど当然転倒などのリスクも高くなります。

 

良くなる過程の中で正しい助言を行わないと振り出しに戻ってしまう可能性があります。

 

トレーナーは会員さんの日常にまで目を向ける必要がある事は兼ねてよりお伝えしていますが、リスクの面も考える必要があります。不良姿勢改善の為に不良姿勢を伴うADLを改善させる事はもちろんですが、その先のリスクまで考える必要があります。

 

〇〇の改善には××の継続が必要→××を継続させるには△△が阻害因子となる→△△を改善するには□□がリスクとなりやすい

 

この辺まではしっかり考えた上でアプローチしていく必要があります。

 

今回の件は、細部までリスク管理を徹底できなかった事が原因の一つだと考えています。

 

機能改善やそれに伴うADLの変更を図る場合、考えられるリスクをなるべく多く列挙し、対策を講じた上で実施していく事が大切だと感じました。