南の小言

100年健康を作るPTの日常

許容範疇

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理学療法士】というワードがまたもやX(旧Twitter)でトレンド入り。「どうせ良い意味ではないのだろう」と調べてみると、案の定、良くない意味どころかPTの価値を下げるような内容でした。

 

【自称アトピー専門家の理学療法士

 

この方の記事は、先日ガジェット通信GetNewsにて取り上げられました(既に削除済み)

この方はアトピーに特化した専門治療院を開業されたPTです。記事ではこの方を【専門医】として紹介していました。そもそも医者ではない時点で【専門医】ではありません。本人は専門医と名乗っていないようですが、アトピーの治療はまさに医療行為。PTが医師の指示なく医療行為を行うことは法的に認められていません。これはグレーどころか限りなくブラックに近い内容です。そして治療金額は最低でも428,000円。アトピーに悩む人をターゲットにした詐欺紛いの行為です。

 

でも【本当に治せる】のであれば目を瞑るべきなのか?そもそもPTが開業できないという法律がおかしいのか?と思い、詳しく調べてみました。

 

私が感じたおかしな点をいくつか列挙します。

・そもそもアトピーの治療はPTの専門外。PTとして開業することは違法、医師の指示なく医療行為を行うことも違法。

・今までのアトピー治療を真っ向から否定し、それに対して打ち出しているものは【私の考えた最強の治療法】つまり医学的根拠は皆無。

・【1ヶ月経って効果を認めない場合は返金保証】と謳っているが、治療は最低3ヶ月を推奨している。

・PTが開業する際の所謂法の抜け道はいくつか存在しますが、真っ向から法律違反を犯している。

 

等等数々のおかしな点が存在します。この方が行っている事が実際に効果があるのかどうかは最早関係ありません。ただでさえ、SNSの普及により科学的根拠に乏しい情報が出回っている中で、このような事例がなんの刑罰も無くまかり通ってしまうと、同じような事例が多発してしまいます。

健康寿命に注力している私にとっては、このような存在を見て見ぬふりはできません。

 

PTの活躍可能な幅は多岐に渡りますし、幅を広げて損はありません。しかし、許容範疇を超える行為はPTの価値を下げかねません。ましてや専門外への参入はもってのほか。

 

私も新しいサービスを作成する際は慎重にすべきだと改めて感じました。