南の小言

100年健康を作るPTの日常

「うちに任せてください!」

高齢者に起こる身体の問題は、とにかく複雑です。今現れている症状が根源では無く、二次的、三次的な症状であることも珍しくありません。というよりは大半がそうです。そう考えると、高齢であればあるほど受け身施術よりも運動療法の方が大切だと強く感じます。

問題が単純且つ明確であれば受け身施術も良い解決策だとは思いますが、問題が複雑化していると受け身施術のみでの完治は困難です。しかし、高齢者は受け身施術を好みます。理由は主に2つ。「受け身の方が楽だから」と「運動療法の有用性を知らないから」です。

 

痛みによる経済損失は1兆9000億円とも言われています。想像がつかない金額です。要は国民から痛みを取り除くことができればあと約2兆円生み出すことが出来るということですね。

 

最近は企業向けの出張整体が世に広まってきています。痛みによる経済損失を最小限に抑えることに加え、従業員への福利厚生の一環として取り入れている企業が増えています。これは企業側が敷地内に整体用スペースを作成し、休憩時間等を利用して外部から来た整体師が従業員に施行するというサービスです。筋膜整体院も凄まじい勢いで増えています。

 

【受け身で治す】部分は良い感じで回っていますね。後は【自分で治す】部分を浸透させることが重要です。両方が上手く噛み合えば痛みの改善率は高まると考えています。

 

とは言っても、正しい運動を処方することが出来れば、整体に頼らずとも時間をかけてしっかり治すことは出来ます。それを目指すには相当のトレーナー力が必要になります。ただ、そのレベルのトレーナー力を持つ人はどのくらいいるのでしょうか。

 

私の利用者さんに、訪問リハビリが終了になったら家の近くの24時間ジムでパーソナルトレーニングを受けようと考えている人がいます。その意欲は素晴らしいことだと思います。しかし、彼女は両側先天性股関節脱臼を患っており、両側変形性股関節症にまで至っています。今回左の人工股関節置換術を施行し、約半年間訪問リハビリを実施してきました。お世辞にも万全の状態とは言えないこのレベルの人がパーソナルトレーニングを希望した時、「任せてください!」と言えるトレーナーは果たして24時間ジムに在籍しているでしょうか。少なくとも半年間彼女を見てきた私は、快く24時間ジムのトレーナーにバトンタッチは出来ません。パーソナルトレーニングを売りにしているところでも、このレベルの対応は難しいでしょう。

 

だからこそ、スモールジムのトレーナーはこのレベルの方が体験に来られても「うちに任せてください!」と言えるようになって欲しいと思っています。【健康寿命に特化したジム】であり、社会問題解決に向けて取り組んでいる先駆者として、単純な痛みだけでなく整形外科疾患に悩む人たちにも適切な運動療法を処方できるトレーナーが増えて欲しいと考えています。

 

そうなる為にはトレーナーたちも知識習得に向けた努力しなければいけませんが、私も培った知識をどんどん発信していかなくてはいけません。

 

8/5の記事でも取り上げた通り、痛い→病院→湿布→治らない→痛い→病院の無限ループではなく、痛い→スモールジム→完治を目指したいと考えています。

 

簡単なことではありませんが、社会問題を解決する唯一無二のジムを目指す為、突き進むしかありません。