南の小言

100年健康を作るPTの日常

偽物勇者

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近年は多様性を重んじる社会となっており、差別や偏見を防ぐ目的の施策が沢山出てきています。ジェンダー平等への取り組みなんかが代表例ですね。

 

先日、提携グループホーム代表取締役の方から履歴書を持ってきて欲しいと頼まれた為、履歴書を買いに行きました。履歴書を選んでいると、ここにも多様性を重んじた商品がありました。

【一般履歴書(性別欄無し)】

【一般履歴書(性別欄有り)】

今まではサイズの違いや多少の記入欄の違いしかありませんでしたが、ここにも多様性を重んじた工夫が凝らされており、非常に良い取り組みだと関心しました。

 

しかし、こういった取り組みは評価されやすい反面、所謂【多様性の強制】が波紋を呼んでいます。

 

配慮が足りていない言動や投稿を行った人に対して執拗に批判する悪習が横行しています。正直「それは別に良くないか?」と思うものでも簡単に炎上する時代になりました。配慮が足りていないことは良くないことかもしれませんが、それに対しての匿名で行われる誹謗中傷は昨今大きな問題となっています。

 

コロナ禍の中で【マスク警察】という言葉が流行したように、良い取り組みも一線を超えると人に迷惑をかけるものになります。

 

【肌色】という言葉も安易に使っては行けないNGワードだそうです。理由は、肌の色で人をイメージを連想させることは差別に値するから。私はこの件に関しても「それは別に良くないか?」と思います。私たちは幼い頃から薄橙色(ペールオレンジ)のことを【肌色】と呼んできました。その時はなんの疑念もなく覚えていましたし、差別的な念など微塵も感じていません。ただ、現在SNSで【肌色】と呟くと批判の嵐を四方八方から受けます。不思議ですよね。しかも面白いことに批判の声をあげている人のほとんどは、同じ日本人なんですよね。

 

【多様性を重んじる社会】から【多様性への配慮が足りない人には制裁を加える社会】へと変貌を遂げています。

 

また、先日とある店で買い物をする為、駐車場に車を停めて店まで歩いていると、車椅子マークを付けた車が物凄いスピードで駐車場に侵入してきました。私は危うく跳ねられかけました。そこで運転手(高齢者)の顔を見ると「障害者を労れ」と言わんばかりにこちらを睨んできました。

 

SNSで調べていると、このように【障害を持つ方が図々しい】というケースが増加している事が分かります。勘違いして欲しくないこと、それは私は障害を持つ方をサポートする事を生業としていることもあり、差別的な視点は一切持っていない事。この記事で私は【最近の障害者は図々しい】と伝えたいわけではありません。

 

接客業に携わる際【お客様は神様】と習いますが、それは従業員側の心構えであって、お客側は神様のように振舞って良いという訳ではありません。それと同じです。私たちは障害を持つ方を支えていく事(共生する事)が大切ですが、だからといって対象者は傲慢な態度をとって良いという訳ではありません。対等な関係を築くことが理想です。

 

話が二転三転してしまいましたが、私が最も伝えたいことは、最近は本質からズレた言動をとる人が多発しているという事です。より良い世の中を目指すための施策を逆手に取り、揚げ足取りや粗探し人間が増加し続けています。誰かを救う為に施行されたもので誰かが不幸になっていては本末転倒です。

 

それぞれが言動一つ一つに責任を持ち、物事の本質を理解する必要があります。

 

703号室というアーティストの「偽物勇者」という曲の歌詞の中に、【正義のヒーローの仮面の下も知らずにね、偽物勇者は僕だった、君を傷つけていたのは僕だ】という歌詞があります。

まさに現実世界で横行していることそのものです。正義のヒーローを気取った偽物勇者が増加していることが大きな社会問題であり根絶対象です。

 

どこまでが良くて(行うべき)どこからがダメ(偽物勇者)なのかの正確な判断は今後必須です。

 

少しでも正しい判断のできる人が増えますように。