南の小言

100年健康を作るPTの日常

時代と逆行するという戦法

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皆さんは【夢グループ】のCMを見たことがありますか?社長自らがCMに出演し、独特なリズムと少し変わった切り口で私たちの脳に強烈なインパクトを残すあのCM。あのチープ感というかアナログ感というか、あの緩い感じが癖になりますよね。

 

私のような若者世代の人間からするとだいぶ胡散臭く感じますが、実は売上は鰻登りです。あのCMが開始されてから業績は右肩上がりで、2021年の売上はなんと150億円以上。しかもこのネット時代にも関わらず楽天Amazonなどには一切掲載せず、ほとんどが電話注文だというから驚きです。

 

そしてお客さんの9割が高齢者だそうです。そうなるとほとんどが電話注文である事にも納得が出来ます。そしてあのCMは一本製作するのに約2万円程しかかからないそうです。一般的なCM制作費用は100万~500万程と言われている為、異常な安さです。その分、商品価格を下げることに成功している訳ですね。

 

と思いきや、楽天Amazonで他社が販売している同レベルの商品と比較すると、夢グループの商品よりも他社の商品の方が遥かに安価で販売されているものがほとんどです。つまり夢グループの商品は実はそこまで安くは無いということです。それでも売れ続け業績は急成長を遂げています。なぜでしょうか。

 

大きな理由は【ターゲットをシニア層に全振りしている】ことです。昭和のスター達を中心としたキャスティング、敢えて醸し出すアナログ感、端的且つ単純な商品説明、そして+α要素の少ない商品。どれも裏返すと若者世代には刺さりにくい内容となっています。時代と逆行した内容ですが、それがシニア層にはヒットします。そして、シニア層の大半は【ネットを使って価格を比較する】癖がついていません。スマートフォンを携帯している高齢者は増加していますが、若者世代のようにネットショッピングに利用している人はほとんどいません。つまり、あのCMで掲載された商品が良い、安いと感じれば、価格比較することなく購入します。この戦法は詐欺でもなんでもなく、【上手な商売】だと感じています。

 

敢えて時代と逆行することで他社との差別化を図り、強烈なインパクトを残す。

 

これは、最近SNSでバズりにバズった【オトナブルー】という曲にも言えることです。新しい学校のリーダーズという4人組ダンスボーカルユニットが作成したこの歌は、昭和の歌謡曲を彷彿とさせる曲調や歌詞で人々の注目を集め、昭和の歌謡曲を知らないような現代の中高生にも大きな影響を与えました。これもまさに、時代と逆行するという戦法だと考えています。恐らく昭和時代にこの曲を出しても今ほどヒットすることは無かったでしょう。現在流行っている曲調や歌詞を使用せず、敢えて時代と逆行した曲を作成したことが爆発的ヒットを呼んだのです。

 

他社との差別化を図る際、商品価値を高めることや付加価値を加えるという発想がポピュラーですが、敢えて時代と逆行した戦法を選択することでそれが好影響を与える可能性もあります。

 

差別化に攻めあぐねている時の代案として用意しておくのも良いかもしれませんね。

 

今日のブログには【敢えて】が多用されていますが、この言葉には【意図的】という意味が含まれています。ただただ時代と逆行した商品を作っていては流行りません。膨大な情報収集や時代の先読みを行うことで勝算を見出し、【敢えて】時代と逆行した商品を作ることで成功を収めることができる(かもしれません)

 

他社の成功事例を掘り下げると面白い点が沢山見えます。