寒暖差のせいか、動物と戯れすぎたせいか定かではありませんが、約1ヶ月鼻がバグっている南です。今日も利用者さんに「凄い鼻声だね」と驚かれました。皆さんもご自愛ください。
私は現在、脳梗塞後遺症により高次脳機能障害を呈した女性のリハビリを担当しています。リハビリの目的は認知機能の改善。所謂脳血管性認知症である彼女のリハビリを開始して約半年が経過しました。
私たちは認知度評価を実施する際【長谷川式簡易知能評価】通称HDS-Rというものをよく使います。認知機能に標準を当てたいくつかの口頭質問を行い、30点満点中19点以下であれば認知症の疑いがあるというものです。彼女は初回介入時19点でした。HDS-R以外にもいくつか評価を行い弱点を浮き彫りにした後、その部分のリハビリを徹底的に行いました。
そして本日、再度HDS-Rを実施すると28点でした。もちろん調子に波はありますが、確実に改善しています。本人も物忘れが減ったと喜んでいました。
高齢者の家に行くと脳トレ本がテーブルに置かれていることが多々あります。しかし、脳トレ本で認知機能が改善された事例を聞いたことがありません。予防という側面では有効かもしれませんが、改善には至りません。なぜなら単純な脳トレでは機能低下している部分への直接的なアプローチが出来ないからです。計算が得意な人にいくら計算問題を解かせても単なる作業的にしか脳が働いてくれません。記憶にはたくさん種類があり、その中でもいくつもの分岐があります。どの部分が低下しているのかを正確に評価することで
ピンポイントでリハビリを実施できます。
結論、最も大切なのは【評価】です。
評価無くして治療はありません。
評価の質は私にとっても大きな課題ですが、トレーナーにとっても重要なスキルです。
あらゆる評価を組み合わせることで問題点を浮き彫りにさせる。それが出来れば運動処方は非常にスムーズに進みます。
まずは評価を大切にしていきましょう。