南の小言

100年健康を作るPTの日常

トレーナーも認知症を知るべき

今日、車で移動中テレビをつけるとNHKでたまたま「ようこそ認知症世界へ」という番組が放送されていました。内容は、アニメ形式で物語が進みながらも、ところどころ専門家が認知症について解説するというものです。こういった誰もが視聴できるような番組の大半は、当たり障りのない内容になっていることが多いですが、この番組の内容は、認知症について勉強してきた私でも「なるほど」と思うような内容が多かったです。

 

初めてこの番組について知った私でも良い勉強になりました。

 

私たちみたいな若年層は、スマホを見続けて一日を終えてしまうことがあります。その時私たちは「せっかくの休みなのに、ボーっとスマホをいじっていたら一日が終わってしまった」という気持ちに苛まれます。認知症の方は、一年を通して大半がこのような形で一日が終わるように感じると言われています。

 

ボーっとスマホをいじっていたら一日が終わってしまうように、認知症の方は考える機会がなければすぐに一日が終わってしまい、その日その時に何をしていたかを思い出すことができません。これが認知症を進行させる原因なのです。

 

ということは、歳をとればとる程【考える時間】を増やしていく必要があります。

 

今日の放送は、娘さんが営んでいたカフェ業務の一部を認知症の母親に伝授することで、その母親には日々の役割や責任、考える事項が生まれ、結果的に認知症が改善されたといった内容でした。

 

これは本当に有り得る話です。

 

私の利用者さんで認知症が目まぐるしいスピードで進行している方がいます。つい最近まで自分が長年住んできた住所も分からない状況でしたが、何週か前に本人の住所が記載された配達物が届き、私はその配達物の住所を何度も呼称してもらいながら本人に記憶してもらう訓練をしました。その結果、今ではどのタイミングで住所を聞いてもすぐに答えることが出来るようになりました。

 

このように認知症の方への対策として、脳トレや考える習慣付けは大切ですが、実は今回のような小さなきっかけが認知症の進行を食い止めたりします。

 

メディカルとフィットネスの間を埋めることを第一に考えているスモールジムでは、認知症という病気も蔑ろにする訳にはいきません。

 

実は改善の答えは身近なところにあることがあります。

 

単純な脳トレ本をひたすら実施してもらうくらいなら、日々の言動について答えを自ら導きだすことができるような問題を支援者がたくさん出していくことが重要です。

 

認知症はもはや病院や高齢施設だけの問題ではありません。

 

フィットネスジムにも【認知症予備軍】の方が来店される時代です。

 

一見医療とフィットネスで全く違いそうなジャンルではありますが、スモールジムのオーナーであればメディカル寄りの認知症について深く知る必要があります。

 

今後の為にも、まず認知症について学ぶ姿勢が必要です。

 

そして学ぶにはこの番組も有効だと感じました。