南の小言

100年健康を作るPTの日常

認知症に終止符を!

レカネマブの臨床試験では,プラセボと比較して,アミロイド班の顕著な減少と,CDR-SBという指標で評価する全般臨床症状の悪化の抑制が認められた。また, ADCS MCI-ADLという指標で評価する自立して生活する能力についても,プラセボと比べて37%の臨床的有効性が認められた。

 

9月25日に日本のエーザイ社と米国のバイオジェン社が開発した【レカネマブ】が、アルツハイマー病による軽度認知障害及び認知症の進行抑制の効能・効果で厚生労働省により薬事承認されました。そして今月20日から保険適応となり、既に投薬が進んでいるようです。この治療薬により急増しているアルツハイマー認知症患者を減少させることができれば日本は大きく変わるかもしれません。

 

費用は1年間で約300万円。高額医療費制度を利用すればそこまで大きな額にはならないと思いますが、それでも良いお値段です。風邪薬のように即時性があるものではない為、どこまで拡大していくのか。また、どこまで効果があるのか非常に興味深いものです。予防にあまりお金を使わない国民性ですが、アルツハイマー認知症のように社会問題化している認知症の薬には進んで手を出す人が多いのではないでしょうか。

 

認知症には脳トレが良い」「認知症には人との関わりを作ることが良い」「認知症にはディアルタスクトレーニングが良い」等いろいろな改善方法が謳われていますが、どれも中長期的で見ていく必要があるため、実際に何が効果を認めたのかの評価がしにくいものです。そんな中、特に努力することなく服薬するだけで効果を発揮する治療薬の出現は間違いなく浸透するでしょう。

 

私は「薬の飲み過ぎには気を付けてください」と常に利用者さんにはお伝えしています。薬は大きな効果が期待できますが、副作用もあり100%体に良いと言うものではありません。様々な治験を経て市場に出回っていると思いますが、薬に頼りすぎることは極めて危険なことです。

 

「運動」「休養」「栄養」に「服薬」を加える形でアルツハイマー認知症に立ち向かっていく流れができればと思います。